今回はレスポールとレスポールスペシャルの違いや特徴、使用感、どちらが優れているかをお話ししていきます。
両機の違いが分からない方、購入を検討している方におすすめの記事となっております。
レスポールとレスポールスペシャルの歴史
レスポールとレスポールスペシャルは両機ともGibson社から販売されているエレキギターです。
販売経緯が違うので個別にご説明します。
・Gibson Les Paul
Gibson Les PaulはGibsonとレスポール氏が共同開発したレスポール氏のシグネイチャーモデルです。
エレキギターとしてFenderのストラトキャスターと並ぶ極めて有名な代表機種です。
「LES PAUL」は楽器を指定商品としたギブソンの登録商標であり「レスポール」という商品名でこのモデルを販売できるのはギブソンおよびギブソン傘下のEpiphoneのみです。
そのため「レスポールタイプ」等として同形のコピーが「レスポール」以外の名称で販売されています。
レスポールは1952年に登場し、ブリッジ及びピックアップ、塗装の仕様変更を経て、1958年にその仕様が完成されました。
この1958~1960年製のサンバースト・モデルは現在では、エレキギターの中でも最も高額な数千万円で取引されている個体群ですが当時の音楽シーンにおいては、サウンドにパワーがありすぎてコントロールしづらく、重量も重いということで、一般的な人気を得るには至りませんでした。
ですがエリック・クラプトンなどの影響もあり、レスポールとマーシャルアンプの組み合わせのディストーションサウンドが好評でレスポールの再評価がされ今日まで多数のアーティストに愛されるモデルとして定着していきました。
・Gibson Les Paul Special
Gibson Les Paulのスチューデントモデル(入門用)であるGibson Les Paul Juniorの上位モデルとして、1955年に発売されました。
当時のレスポールシリーズにおけるグレードとしては、スタンダードとジュニアの間に位置するモデルです。 基本的な構造はジュニアに順じており違いとして分かりやすいのはP-90のピックアップがJuniorが1基のみに対してSpecialはP-90が2基搭載されています。
名称の表記も当時はGibson Les Paul Junior Specialで呼称されていましたが2015年から差別化された為か、Gibson Les Paul Specialの名称で通されるようになりました。
海外に比べて日本で人気が高いためか、2014年と2016年にはギブソンUSAより、日本限定モデル(Japan Limited Run)として、シングルカッタウェイのバーブリッジモデルが販売されています。
仕様の違い
両機の仕様の違いについて説明していきます。
・ピックアップ
Gibson Les Paul(ハムバッカー)
※ハムバッカーについて
2個のコイルを逆相接続しノイズをキャンセルする方式のハムバッキングタイプのピックアップ。”ハム”や”ハムバッカー”と呼ばれ、Gibsonのエレキギターのほとんどに使用されています。シングルコイルと比較してノイズに強くパワフル、甘く太いサウンドが特徴で、ディストーション・サウンドとの相性も良好。ハードロック、パンクロック、メタル系の低音の効いた太い歪みをうみ出すことができます。ハムにはカバーがついているものとついていないものが存在します。
Gibson Les Paul Special(P-90)
※P-90について
P-90は一般的なものよりコイルのターン数が多くとられた、大型でハイパワーなシングルコイルピックアップです。わかりやすく言うとシングルコイルとハムバッカーの中間寄りのサウンドが出ます。シングルコイルとハムバッカーどちらにも近づけた音作りがしやすく汎用性がありますが本来のシングルコイルとハムバッカーのサウンドには今一歩のサウンドです。しかしながら癖の少なくその扱いやすさから多くの人に愛用されています。
以上が搭載されているピックアップの違いとなります。
ピックアップのサウンド違いとしては、ハムバッカーはノイズが少なく太い音が特徴で歪ませるとパワーのあるディストーション。クリーンで鳴らすと甘く暖かみのある音がします。
P-90はハムバッカーと比べ明瞭で、歯切れよくハッキリとした抜ける音がします。しかしレスポール特有の太くて丸いサウンドも得られバランスが絶妙に取れている音が特徴です。
・ボディ
Gibson Les Paul
硬質で明瞭なサウンド特性を持つメイプル、ウォームでコシのあるサウンド特性を持つマホガニー、この二つを貼り合わせた2層構造のボディが最大の特徴です。
またボディーの中央が盛り上がったアーチトップで作られています。
Gibson Les Paul Special
マホガニー製ボディにマホガニー製ネックで、指板はローズウッドが使われています。
もともとがレスポールの廉価版ということもありマホガニーの単板で製作されておりソリッドな音色が得られます。
またSpecialはアーチトップでなくフラットな作りです。
Gibson Les Paulと比べダブルカッタウェイの仕様の物が多く作られています。
実際の使用感
実際に両機を使用してみた使用感ですが
Gibson Les Paulはハムバッカー特有の甘く太くパワーがある音で、深く歪ませると凄まじい粘り気のあるディストーションサウンドがとても気持ちいいです。
歪みに関していえば向かうところ敵なしの圧倒的攻撃力のあるサウンドです。
クリーンの音も軽く歪んだ甘い音が心地よくメロウでジャズなんかにピッタリです。
ボディは合板なのもあり重く立ち弾きは少し体力が必要かもしれません。
Gibson Les Paul Specialはレスポールよりパワーはありませんが歯切れよくハッキリとしたハムバッカーのサウンドといいましょうか。ハムバッカーと比べトゲが少ない扱いやすい利点があります。
また本家ピックアップには劣りますがシングルコイルとしてもハムバッカーとしても使用できます。
シングル、ハムバッカーの中間の音を鳴らすというよりはシングルかハムバッカーどちらか寄りの扱いやすい音作りを設定すると気持ち良いちょうどいい音が出せます。
ボディは単板なのでレスポールに比べて軽く使いやすいです。
サウンド、使いやすさに関してはSpecialの方が取り回しが良いです。
どちらがいいの?
ではどちらのモデルが優れているの?と考えてしまうと思います。
どちらも良い所があり、また弱点も存在します。
なのでどちらが良い悪いの区別はできません。
用途で選ぼう
どちらかを購入したいと思っている方もいらっしゃると思います。
その場合は音や用途で選ぶのが一つの手段です。
ゴリゴリのロック、メタル、ジャズなどのジャンルで、ギターソロなどのリードプレイで演奏する方はGibson Les Paul
レンジの広い音色で幅広いジャンルに対応が可能で、ギターボーカルなどのバッキングのプレイもそつなくこなしたい方はGibson Les Paul Special
を選ぶと問題なく性能を発揮できると思います。
絶対その用途で使用しなければいけないという事もないので見た目が好きな方でも全く問題ありません。
一つの参考としてあなたの好きな方を選んでみてください。
最後に実際に使い分けている筆者の「弾いてみた」の演奏動画を載せておくのでよければご覧ください。
Gibson Les Paul Special
Gibson Les Paul
↓他にも「弾いてみた」の動画も載せているので良ければ見てください。
まとめ
今回は形がよく似た両機の違いや性能、歴史などをご紹介させていただきました。
両機ともとても魅力的なボディシェイプ、サウンドをしておりどちらか選ぶのは難しいでしょう。
この記事を読んであなたのギター選びに一役かえたら何よりです。
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